鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

2019-01-01から1年間の記事一覧

災害列島日本の原子力発電所 1

もうすぐ令和元年が終わる。災害の多かった平成から、令和を引き継いだが、まるでお祝いの祝儀のごとく台風がやってきた。それも、どういう訳か普段あまりコースに入らない中部から関東にかけて大風だの大雨だのを引き連れてきた。特に首都圏では停電という…

原子力発電所の危険性 伝書鳩ハト子の対談

伝書鳩ハト子がスマホを背負ってやって来たのは、ニンゲンのお友達である東田ルリ子さんち。今日は先ごろスペインで環境問題についての世界会議があり、日本の若い環境大臣が日本のCO2排出量に関して協力的でないと、各国からコテンパンにやられたこともあり…

小型のシダ ヌリトラノオ

ヌリトラノオをトイレに置いた。夏から秋にかけて台所のシンク横に置いていたが、そろそろ台所で越冬する植物が増えてきたので、トイレのタンクの上に作った板棚に引っ越してもらったのだ。ヌリトラノオは珍しいシダではない。我が町にはシモツケヌリトラノ…

「ピアノの森」の原作マンガ

「ピアノの森」の原作マンガにハマっている。何度も読み返すし、テープに吹き込んだショパンのピアノ協奏曲1番を聴いて聴いて、しまいに肩は凝って目が痛くなるし、テープは再度吹き込んだN響と中村紘子共演もガタがきた。若いころの中村ではなくそろそろ高…

ショパンに魅かれて原作マンガを見る

アニメ、「ピアノの森」を見て原作を読みたくなった。原作と言えば聞こえが良いけれど、何のことはない大人向け週刊マンガに連載されていた物のコミックである。全部で26巻、クライマックスは終りの方だろうが、主人公の一ノ瀨海は10歳から登場する。小…

アニメとショパンのピアノ協奏曲

数か月前、NHKの夜遅くにマンガ映画をやっていたので、こんなに遅い時間にマンガ映画?と驚いた。ああ、近頃はマンガ映画などとは言わずアニメというんでしたっけ!アニメは子供や若者が見る物、どんなアニメだ?と入れてみた。タイトルは「ピアノの森」。入…

追憶の母 8

終戦を迎え、兵役に獲られていた方々が戻ってきたが、日本は敗戦国であった。進駐軍が威張っているのに物がない!母の話によれば、鉱山町には連合軍の捕虜がいたそうで、終戦になってから、街中で彼らを目にするようになったとか。別に住民に狼藉を働くわけ…

エビネは日なたが嫌い

私の住んでいる町は小さいながら一応市である。平成の大合併で四町が一緒になって市政を敷いた。しかし合併当時は3万人以上あった人口も、今ではそれを切っている。住民は高齢者が多く年ごとに減って行き、若者たちは都会へと流れて行って、日本の縮図と言…

追憶の母 7

母の実家の弟が、ついに軍隊に獲られた。父が知って任地から義弟に手紙を書いたそうだが、内容はけっして手柄を焦るな、なんとしても生きて戻るように、と言い聞かせたらしい。しかし、彼は戦地にやられて戦死した。手柄を焦ったかどうかはわからないが、父…

追憶の母 6

父が召集にあって軍隊に入ってしまった後も、お国のために仕事ができなくなったからか、召集にあった者は仕事をしているとみられたのか、鉱山の社宅にはそのまま住むことを許された。太平洋戦争に突入して、若者が次々に軍隊に取られて行く。社宅の長屋は留…

水害の恐怖 伊勢湾台風が襲来

令和元年で、なんとなくめでたい気がしていたのだが、巨大台風19号が我が国を襲い、ふと、60年前の伊勢湾台風を思い出した。狩野川台風を例に取られて、伊勢湾のイの字も出なかったが、その次の年のことだったと思う。死者、行方不明者5000人以上を…

追憶の母 5

鉱山の社宅は、平屋の長屋だった。五家族ほどが入っていたらしいが、中は三畳と六畳の二間で台所は土間の片隅。風呂はなくて入りたければ鉱山町の風呂屋へ行く。幸い風呂屋や商店街までは近かったようだ。当時としては風呂のない家庭がほとんどだったので、…

追憶の母 4

母が実家で髪結いや婚礼の仕事を行うようになって10年近くが過ぎた。その間に数歳下の妹が近くの農家に嫁に行った。傷痍軍人の旦那さんであったが、見かけではどこが悪かったのかはわからない。実家よりは豊かで牛がいた。しかも嫁ぎ先の一家は本人、舅、…

追憶の母 3

花嫁行列が婿さんの家に到着すると、村人の群衆が集まっていて、きれいなお嫁さんだ、とか荷物がすごい、とか嫁取りの家に聞こえるように大きな声で呟く。たいして美人ではなくても、荷物の量がイマイチでも全く関係ない。知り合いの古老が後々、私たち母の…

追憶の母 2

髪結い師の資格を取って、奉公先から実家に戻ってきた母は18歳くらいだったと聞く。実家にはまだまだ食べ盛り、育ち盛りの兄弟姉妹がたくさんいて、家は相変わらず貧乏だった。祖母が汗水たらして作ったコメは、すべて年貢に巻き上げられ家族は米粒よりも…

ヤフーブログからの引っ越しが完了!

令和元年9月17日13時、ヤフーブログからの移行がすべて完了しました。もちろん、私が一人で行ったのではなく、パソコンの一から十までを指導してくださったMさんからの手厚い移行説明書を頂いてのことです。いつも、身近におられた方でしたが、今年の4…

追憶の母 1

母は大正、昭和、平成を生きた昔人間であり、右足が悪い障害者だった。普通、歩く時は足の裏が地面に付くが、彼女は足首が90度以上ねじれていて、足裏が横を向いており足の甲を地に付けて歩く。足に合う靴やサンダルなどなかったので、下駄や草履の鼻緒に…

気難しい植物 イワナシ

イワナシというツツジ科の植物が、近くの里山や渓谷の岸壁にある。低木で地に這うように生育していて、花は釣鐘のような可愛いピンク色で、三つ四つ房状に咲かせる。山野草をやっている知り合いは、大抵一度や二度は山から採ってきて鉢に植えてみた者が多い…

イヌシダ通信 南夜濁国の混乱

イヌシダ通信社の残業中、一服している時に隼タカオが伝書鳩ハト子の所へ油を売りにやって来る。タカオは相変わらず南夜濁国から戻されたことに対して不満をこぼしていた。「とうとう、南はG(ゲー)ソミアの延長破棄を宣言しちゃったじゃないですか!前にも…

イヌシダ通信 南夜濁国の疑惑

イヌシダ通信 駝鳥タロウ、会議室から出てきた伝書鳩ハト子と立ち話 「何の話だったんだい?えらく長かったが」タロウ、ハト子に長い首を寄せて聞いてくる。「決まってるじゃない、南の疑惑について裏が取れないか、社を上げて行動をすることになったのよ。…

イヌシダ通信 南夜濁国の暗雲

イヌシダ通信社の昼下がり。喫茶室で駝鳥タロウと山鳩キジ子の談話。タロウ、ブルーマウンテンをすすりながらキジ子に話しかける。「どうだい、南の状況は?最近じゃ、東京2020をボイコットする、などと息巻いているらしいが」「そうなんですよ、タロウさん…

イヌシダ通信 南夜濁国の焦燥

伝書鳩ハト子の部屋に、南夜濁国駐在員のスズメ班からの伝達を持って山鳩キジ子が入ってきた。背中にガラケーをしょっている。福岡から帰ったところだそうだが、デスクに言いつけられたとかで一束の記事を渡してくれる。キジ子も彼の国から呼び戻された口だ…

イヌシダ通信 南夜濁国の狂乱

イヌシダ通信社本部に夜濁国半島に特派員として派遣されていた新米の隼タカオが戻ってきた。今回は政府がついに南夜濁国に対するホワイト国扱いを中止することが決定したので、新米であり貴重なハヤブサを案じるため、コウノトリ嘴子についでの対応策である…

イヌシダ通信 芸能人とヤクザ

イヌシダ通信社の昼休み 伝書鳩ハト子、駝鳥タロウとうわさ話で盛り上がる。その内容は今、現在、巷で話題の芸能人とヤクザについてである。「ドシャブリ決死隊がヤクザの宴会に出て、こっそりギャラをもらっただの、もらわなかっただのでテレビや週刊誌を賑…

イヌシダ通信 南夜濁国の憂鬱

貴重な絶滅危惧種のトリ、コウノトリ嘴子が南夜濁国から呼び戻されて後任に抜擢されたのが新入りの隼タカオだ。入れ替わるように南夜濁国特派員として問題アリの隣国へ飛んで行った。獲物をゲットするときは世界最速と言われる時速300キロで、垂直降下す…

イヌシダ通信 南夜濁国の困惑

イヌシダ通信社 ハト子は南夜濁国派遣記者と対談する 「ご苦労様でした、コウノトリ嘴子(はしこ)さん。今、南夜濁国は日本のホワイト国取り上げの問題で、上へ下への大騒動と聞いていますが、如何ですか?」コウノトリ嘴子にコーヒーを出しながら、ハト子…

叔父さんちのアオバズク

夏、寝床に入るとどこからともなく「ホーホー!ホーホー!」と鳴く声が聞こえてくる。最初は何の鳴き声なのか全くわからなかった。アオバズクというフクロウの一種が鳴いているのだと知ったのは、随分後のことである。声の主がわかっても姿を見ることはでき…

イワヒバの不思議

日本にはシダ植物が多く自生している。南北に連なる小さな島国だが、この狭い国土に雑種も含めると千種近いシダがあるという、世界に誇るシダ王国らしい。花も咲かず、どれがどれやら区別のつきにくい物が多いのだが、山野草の愛好家が最後に手を出すのがシ…

イヌシダ通信 すさんだ世の中 2

「8050問題を知っているわね、ハト子さん」「何ですか、8050って」ハト子再び鉛筆をなめなめマイクを差し出す。ルリ子さん、眉を吊り上げ「八千五十ではなくハチまるゴーまるよ。50歳を過ぎたコドモの引きこもりを80歳の親が面倒を見ている現実のこと」…

イヌシダ通信 すさんだ世の中 1

伝書鳩ハト子、すさんだ世の中をレポートする。 「ルリ子さん、お久しぶりです。お変わりありませんか?」スマホを背負ってやってきた、イヌシダ通信の特派員、伝書鳩ハト子が嬉しそうに言う。今回はフリー取材だという事で、近頃問題になっている我が子への…