鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

猛禽チョウゲンボウ 2

チョウゲンボウハヤブサの仲間である。ハトをスマートにしたようなスリムな体に黒い点々がついていて、チーターの模様に似ている。背面は少し淡い茶色、胸から腹にかけては白いが、点々はある。エサは昆虫やカエル、そして小鳥類、つまりスズメはかっこうの獲物なのだ。

彼らが来なくなるはずだった。どうやらチョウゲンボウは南部に渡りの途中で寄り道をしているらしい。寒くなってヘビもカエルもいなくなり木の葉が落ち始めたころに姿を見せる。電柱の上で甲高い鳴き声を響かせているのに気づかなければ、そんな珍しい猛禽が来ているなど思いもよらなかったに違いない。しかし、小鳥たちにとっては迷惑千万。いったいいつごろから来はじめたのか?

考えてみるとスズメが来なくなる期間が起こりだしたのは三年くらい前からだと思う。初めはネコが通ってちょっかいをかけるからだ、とか、ヘビがうろついていたのだろう、などと考えていたが、ひと月近く寄り付かないので変だとは思っていた。まさか、猛禽の類が渡りのコースにしていたとは!そういえば、以前から縄張りにしていたモズが晩秋になっても来なくなっていた。路地で草むしりをしていると、キチキチキチとうるさくすごまれる。オイラの縄張りだッチューの!「はいはい、どきますよ」と譲らねばならない。それが、チョウゲンボウにとってかわった。トリは一羽だけだったが、たまたま見かけたのがそうだっただけで本当はツガイでいたのかもしれない。とにかく居心地が良いのかしれなくて、雪がチラつくようになるまで居座っており冬の兆しが強くなってから南へ渡って行くらしい。スズメたち小鳥にとっては大いに迷惑なお方だった。おかげですぐ横にある映画館の大屋根に住み着いていたムクドリの群れも、ドバトたちもいなくなっている。

チョウゲンボウの威力はすごかった。渡っていってしまってからスズメが一羽、二羽と戻ってきて、ほっとしてしまう。チョウゲンボウは嫌いじゃないけど!