鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

ツバメのヒナを拾った話 3

我が家に来る野鳥は、すべてピーちゃんかチーちゃんと呼ばれる。センスも何もあったもんじゃない。しかし、花子ちゃんとかタロウちゃんと呼ぶのも何だかイヌやネコみたいで今一つだし、ジャックやベティと言うのも中学の英語の教科書か、と言われそうでピーちゃんやチーちゃんが可愛くて良い!とにかくピーちゃんは1年たってもやっぱり1mしか飛び上がれず、隣の部屋に移動するのは歩いて行くようになった。夏になり教会の入り口にはピーちゃんの親か兄弟が来て、巣をつくり沢山のヒナが生まれたのを見て、複雑な気持ちになる。毎日、四回くらいに分けてミルワームを与えた。虫を買いに行くのが面倒で、成虫に成った物をさらに育て卵からミルワームの幼虫を虫かごに培養をはじめた。エサはフスマで農高に行って分けてもらい、虫かごが10個もできた。それぞれに千匹、全部で1万匹を養殖である。それらにはフスマと一緒にキャベツを与える。

言っておくがフスマとは建具の襖ではない。小麦の殻を取り去った粒のさらに表面を薄く剥いだ物だ。これをフスマと言いウサギや牛などの餌にする。ブタや馬も食べるだろう。このフスマを最初、農協に買いに行った。まいど!とばかりに職員が案内してくれ、800円です、などと言って出してくれたが、思わずうめき声が出た。25キロ入りの袋で、これが一番少ない物だそうだ。仕方がないので家で小分けにして、残りを農高に押し付けた。お金はいらないから貰ってくれと頼んだら、今度から必要な分だけ上げるから取りに来なさい、と事務員が言ってくれた。ヤレヤレ!あんな量は冷蔵庫にでも入れておかないと、虫がつづったりカビが生えてしまう。親切な農業高校に感謝!ツバメの面倒を見ている、と知られて色々な方が親切にしてくれた。

ところがある日、大事件が起きた!ミルワームが全滅したのだ。原因はスーパーで買ってきたキャベツである。消毒薬がかかっていたのだろう。店売りのキャベツはほとんど消毒薬がかかっている。だから葉には穴一つ開いていない。今までは親戚の農家からもらった無農薬のキャベツを与えていた。それがなくなったので、スーパーから買ってきて与えたのだ。大ショックだった。虫が全滅したからではなく、そう言う物を食べさせられていたという現実に驚愕した!虫の培養をやりなおしである。次からは無農薬のキャベツだけを注意して与えた。ツバメに害がなくて良かった。でも、この調子ではいつになったら飛べる様になるのか。当時はパソコンで調べても、ろくな記事がなかった。