鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

オカメインコの投薬に振り回される

オカメインコを飼い始めて20年近くなるが、頭が良くて可愛くて、容姿が良い、三拍子そろった小鳥である。値段は初めて買った時は八千円だったが、段々高くなって、最近では二万円近いだろう。お世辞にも安くて手頃とはいいがたいが,買えない値段でもない。彼らはインコと名が付くけれどもオウムの仲間らしい。オウムとインコのどこが異なるのかはっきりはわからないが、可愛いしモノマネもするのだから良しとする。

オカメインコは何羽も飼ったが、どの子にも共通するのは大変に頑固な性格だというところ。何年も飼育していれば一度くらいは体調を崩すことがあって、薬のお世話になることがある。軽いお腹こわしくらいでエビオスビオフェルミンを飲ます程度なら、薬その物をガリガリかじってくれるくらいラクなのだが、ハナミズと咳などの少しひどい風邪とか、ソノウ炎などだと抗生剤のお世話になる。こちらは齧りたくなるような美味しい薬ではなく、概ね味が悪い!子供なら絶対に飲まないほど苦いのだ。まあ、苦くない物もあるが、我が家の近くにある動物病院はだいたいイヌネコ専門だ。昔は犬ネコ病院などと呼んでいた。小鳥なんか見てくれない所がほとんどだから、薬だってそんなに品数はない。だから、大概がテトラサイクリン系の薬になって、超苦い!しかも、無色透明なら良いが、薄い黄色である。色付きの薬など、オカメは大嫌いだ!喉が渇いてもウロウロと水入れの傍までは行くが、中を覗いてクルリとUターンする。期待をさせておいて、腹が立つ!味が悪い以前の問題だ。だから、苦くないクロラムフェニコールなどでもテトラよりマズイ。牛乳のように白いからだ。ボタンインコだと喉が渇けば、色付きだろうと苦かろうと飲んでくれるが、オカメインコはとても臆病で用心深い。だから、投薬となると直接鳥の口ばしに付けて飲ますより方法がない。獣医やブリーダーのように鳥の保定ができれば楽に飲ませられるが、下手に鳥体をつかむと反撃を食らう。ケガをさせられる時もある。保定もできない、自分で飲まない、と困った飼い主に小鳥の我が家は、少しの反撃を覚悟で、まず、オカメを膝に乗せて頭をナデナデから始め、薬水の皿をテーブルに乗せておいて小指の先にチョイと薬を付ける。それを鳥の口ばしの上下境目にチョンと付けるのである。付けるだけで良い。濡らす、と言った感じだが、口の中に必ず入る。しかし、かなり微量なので少なくても1時間はかけて、チョンを繰り返さねばならない。勿論、おとなしくチョンをさせてはくれなくて、三回は口ばし攻撃が待っている。それにめげず、チョンを繰り返すのだ。薬の投与は一日三回か四回行う。だから三時間か四時間をインコの為に費やすことになる。だが、可愛い我が子のためだ。時間がなんだ、反撃がなんだ、飲まさねば悪化は目に見えている。その先は落鳥だ!

インコの中で、飼い主が振り回されるのは、多分オカメインコがダントツだろう。セキセイインコもなかなか飲まないが、彼らは小粒だ。片手で持てる。オカメは体重百グラム、身長30センチと大型なので片手は無理だ。だから、膝の上で、ごまかしながらの投薬となる。そして、カゴの中の温度を30度近く上げておくこと。そのうち、暑くて喉が渇くので自分でも飲みだす。薬水は、私は医師の指示より1.4倍薄くして蜂蜜を必ず入れ、うす甘くしてから与えている。