鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

小鳥の飼育に関する本 1

小鳥を初めて自分のカネで買ってきて飼い始めたのは文鳥である。以前にも書いたが兄嫁が実家で飼っていた文鳥に魅了されてのことだが、当時は働き出して間がなく給料も少ない。小鳥を買うなどと言えば、母親が頭から角を出し夜叉のような顔で怒って反対した。買えない金額ではなかったが、数千円の物を買うのがわかると反対されて、しかし言い返せず黙って言いなりになった。自分で好きなように買い物ができるようになったのは、嫁に行って三か月で出戻ってきて実家の近くに家を借りてからである。ぼろ屋を借り、しばらく母の干渉なしに暮らせた。ペットショップで文鳥のヒナを見つけ、もう自由なのだ、と買い求めたが、小鳥のことなどなにもわからない。インターネットもなく、頼りになるのは本だけだ。文鳥の飼い方、という本を買って勉強し、たまには兄嫁に電話して尋ね、ヒナを育てた。文鳥のヒナはとても楽に育てられるが、注意することはきちんと管理の行き届いた店で買う事。最初のヒナはそれを怠り、可愛いからというだけで買ってしまった。

ヒナは大人の餌に替わるころ、病気が発覚した。ヒナに多いトリコモナス症という病気である。獣医にみせたわけではないが、ヒナの病状から判断した。小鳥の本には、すぐ医者に診せること、とある。それができれば苦労はしない。あるのはイヌネコ病院ばかりだ。ヒナは餌が喉を越さなくなり、発病して四日ほどで落鳥した。がっかりしたが、ひと月もしないうちに同じ店でまたヒナを買ってきた。当時の自分を罵ってやりたい気がする!勿論、その店はカネもうけ主義の店だったから、トリカゴの消毒などしない。同じ病で同じことになった。トリコモナス症は移るのだ!

二羽目も死なせて、さすがにおかしいと思った。あの店の鳥はヤバイ!電話帳で調べて隣の市の富谷市にペットショップがあるのを見つけた。こうなったら意地だ。電話をすると文鳥のヒナなら入荷している、とのことで日曜に行くから、と約束する。日曜日を待ちかねて、ヒナを取りに行った。

その店はとてもきれいで、入り口には洗ったカゴが三つ並べて干してある。ヒナは別のワラでできた入れ物に五羽入っていて、互いの体温で暖まることができ、きちんと考えてあった。そこで注意事項をまた聞いて帰る。この子はトリコモナスなど発症せず、すくすくと育ってくれた。小鳥の本はあれから沢山買ったが、病気の個所を見ると、必ず獣医師の所に連れて行けと書いてある。一種の責任逃れだ。飼い主がしてやれることは保温、バカの一つ覚えみたいに、同じことが書いてある。日本人は都会ばかりじゃないんだよ、と言いたい。辺ぴな所に住んでいる人間はペットなど飼うべからず、と言われている気がする。

文鳥の次にインコを飼いだして、さらに本が増えた。親切な本を見つけることができて、ちょっと嬉しくなる。