鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

小鳥の飼育に関する本 2

沢山の小鳥関係の本で、とても役に立ったのは永岡書店発行、高橋達志郎先生著作「小鳥の飼い方と病気」という本である。昭和61年に24版を買ったが先生は大正生まれで、車椅子に乗っておられた。会ったわけではないが、本にそう書いてある。狂犬病の犬を解剖していてメスで傷つけてしまい、慌てて狂犬病のワクチンを打ったがそれが裏目に出て、半身不随になってしまった。養生している時、飼っていた小鳥に随分慰められて、小鳥の医者になろう、と思われたとか。先生には手紙でコンタクトを取った。オカメインコのヒナを育てている時に、風邪を引かせて困ったあげくちょうど買っていた先生の本に住所も出ていたので、図々しく手紙を出したのだ。返信用の封筒に住所氏名を書き、切手を貼って封筒に入れ、オカメインコの症状をクドクドと書いて送った。返事が来るかはわからなかったが、何かせずにはおれないほどヒナの病気に振り回されていて、うろたえ困惑し落ち込んでいた頃である。電話をかけることは失礼みたいだし、何といっても東京までは遠い。電話賃に怯むことでかけられない。一週間後、先生から返事がきた。病気で入院中なのだ、ということだったが何点か質問の答えが書いてあった。先生の本は今では薬の種類などが古臭くなっているだろうが、ジュウシマツやキンカチョウなど小さい鳥からセキセイインコオカメインコ、キボウシインコ、ヨウム、オオバタン、コバタン、キュウカンチョウなど人気の飼い鳥全般が丁寧に説明されて、病気の対応や薬の種類が書いてあった。薬などはテトラサイクリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、フラゾリドンなどと素人には入手困難な薬名が羅列してあったが、きっと小鳥に詳しくない地方の獣医さん当てに書かれた記事なのではなかったか、と想像している。先生は亡くなられた、と奥様からハガキが届いたが、今でもこの本は大切にして、小鳥が病気の度に引っ張り出して調べるのに使っている。これほど詳しく、病気の原因の原虫やダニの顕微鏡写真まで乗せて治療法も書いてある物を知らない!扉から数ページに色々なキンパラ科やインコ類のカラー写真が載っているほかは、活字ばかりである。たまに写真が入っていてもシロクロで、字を読むのが苦手な方には苦痛かもしれないが、そこは愛鳥の為に気合を入れるべきだと思う。

そして、もう一冊はセキセイインコの本があり、やはり活字ぎっしりの本だ。