鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

小鳥の飼育に関する本 3

小鳥を診てくれる獣医も、詳しく病気などに対処する方法を知っている小鳥専門の店もない、田舎の小鳥愛好家が途方に暮れるのは、飼っている愛鳥が病気になったときである。餌を食べなくなってじっとうずくまり、首を突っ込んで寝てばかりいたら、飼い主はオロオロして混乱し、自分まで何も食べられなくなる。家事をしていてもすぐに病鳥の所に行って覗いたり、振り向いてカゴの中を確かめたりする。カリカリと音がしたら、エサを食べてくれているのでは?と、また覗いてしまう。何も手につかない、非常にまずい状態の飼い主だ。こんな時に頼りになるのは小鳥に関する本しかない。今ならインターネットという便利な物があるから、真贋を間違えさえしなければ本などは足元に寄れないほどだ。しかし、日本中の全国民がネットを利用できるとは限らない。まだまだ本の出番は大きいと思っている。ネットは少しばかりいい加減で、無責任な状態だが、出版社が出した本は書いてあることに責任を持つ。誰が書いて出版したかわかるのだから。もし、ネットのように嘘の多い内容の出版物があれば、それは例外だろう。

セキセイインコのピロが病気になって、飼い主である私が右往左往した時、一番助かったのは「セキセイインコを飼う人のために」という本だった。昭和59年7月31版 池田書店 880円 関根尚武、朝倉えり子両先生の共著である。素人にできる小鳥の治療という記事に魅かれて購入した。全部できる治療ではなかったが、オロオロうろたえているビギナーの飼い主には心強く感じたものだ。小鳥の名医と自負されている先生方は、素人に何ができる、と思われている方々がいらっしゃるだろうが、本当に病鳥を前にして何もしてやれない歯がゆさといったらない!初めて飼ったときは保温の必要性も知らなかった。何も食べてくれなくなってエネルギーだけを消費し、日に日に弱って行く愛鳥を見ているだけの苦しみ!そこに、飲み水の中に蜂蜜を入れて薄甘くしておく。できれば、ベビー用の総合ビタミン剤を一滴などで体力を保持する。など、知らないことが書いてあった時の喜び。対象はセキセイインコだが、体重を考えてオカメインコなら五倍にする。文鳥なら半分にするなど、こちらで判断した。整腸剤の作り方も書いてあり、今でもそれを参考に調剤している。この本も扉から数ページに小鳥のカラー写真が載っているほかは、挿絵とシロクロの写真が説明と一緒に入っているだけで、活字ばかりになっている。

小鳥はすぐに死んでしまうもの、と決めつけずあらゆる手を尽くせば希望がある、と両先生方は言われるのだ!

飲み水に一滴、の作り方は、入れてある容器の種類や大きさで異なるが、私は100均で買った刺身醤油を入れる金魚のカタチをした物を使っている。