鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

イヌシダ通信 南夜濁国の暗雲

イヌシダ通信社の昼下がり。喫茶室で駝鳥タロウと山鳩キジ子の談話。タロウ、ブルーマウンテンをすすりながらキジ子に話しかける。「どうだい、南の状況は?最近じゃ、東京2020をボイコットする、などと息巻いているらしいが」「そうなんですよ、タロウさん、あなたはスポーツ記者ですもの、許せない発言ですよね!」「そうだな、オレはどーでもいいけど、一生懸命練習して準備してきた選手が可哀そうだと思う。くだらんことを口走る連中だ」「むかし日本でもオリンピックをボイコットしたことがあるそうですが?」若い山鳩は噂しか知らない。「あったな、しかし、麦国の命令で仕方なくやったんだ。オリンピックが政治利用された典型だな」「では、今回の南夜濁国も同じですね」「ああ、彼らはもう出すカードがないのさ、つまらん!」「本当にそうですよ、毎日、自国の通貨が下がってきているのに、バカなことを言っていないで外資が逃げないように頭を使ったらどうでしょうか、そのうち外貨が底をつきます」「いっぱい持っているから大丈夫なんじゃないの、なにしろ外貨準備保有は世界9位だそうだから」タロウ、コーヒーのお代わりをする。今度はキリマンジャロを頼んだ。「4031億USドル持っているとか。でもハト子さんが言ってましたよ、あそこの数字は怪しいって。もう実態はほとんど金庫がカラなんじゃないかって。金(ゴールド)の保有量をみたらすぐわかるんだそうです。金は株や為替みたいに上げ下げが極端じゃないから。それに、IMFが満足する額を持っていたら慌てることなどないし、通貨スワップをしてくれる国がもっとできる、って言ってます」「今までは日本がやって差し上げてたからな」そこへお代わりのキリマンジャロが届く。キジ子は紅茶を頼んだ。「ミルクティをください」キジ子は紅茶党である。「南夜濁国の紅茶はまずいんです。どこから仕入れているのやら」「外貨準備高が嘘なら9位というのも嘘になるかな?日本のそれがいくらか知っているか?キジ子」「1兆2500億USドルくらいでしょう?」「もう少し行くかな、とにかく南はこういう事が悔しくてならない。だから、たかってたかって吸えるだけ甘い血を吸う。慰安婦問題など未来永劫に解決などできないな。こいつをネタに金を巻き上げるんだ、1000年は恨むそうだから付き合っておられないぜ」「ノーベル賞をもらったのは平和賞を一人だけ、人工衛星も自力で打ち上げられないし、戦争に負けて国中が焦土と化し、二度と立ち上がれないだろう、と世界中から思われていたのに、あっと言う間に復興して見事に経済大国へとのし上がった。そりゃ、はらわたが煮えくり返るほど悔しいでしょうね。しかも、なにか当てつけることと言ったら不買運動やロウソクを持って大使館前で嫌がらせするしか能がないんですもの!」「ははは・・きみも言うねえ」タロウ、じつに愉快そう。「あなたは南の冬季五輪に取材で行っただけでしょう。私は1年以上いたのですからね」

南夜濁国の通貨ヴォンがもうすぐ紙くずになるから、いまのうちに少し投資して小金を儲けろ、とタロウは言った!