鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

アニメとショパンのピアノ協奏曲

数か月前、NHKの夜遅くにマンガ映画をやっていたので、こんなに遅い時間にマンガ映画?と驚いた。ああ、近頃はマンガ映画などとは言わずアニメというんでしたっけ!アニメは子供や若者が見る物、どんなアニメだ?と入れてみた。タイトルは「ピアノの森」。入れてみて10分ほどで消した。人物があまり動かず、口ばかり動く。美しい背景とセリフでごまかしていると思った。それから何か月か経って、今度はその映画がEテレの7時に変わっていた。へえ、視聴率が上がったか?と他に見たい番組がなかったので、また入れてみた。今度はアニメの質に文句を言わず、ストーリーを真剣に見た。ピアノ、とタイトルにあるように、音楽の話であり主人公も脇役も、ほとんどが音楽家で固められている。主人公はピアニストのタマゴ。脇役もピアニストや音楽評論家、ピアノ教師、調律師などなど、これでもかと言うほどの出演である。話は佳境に入っておりショパンコンクールが主題で、主人公、友人、悪役などがコンクールに挑戦するのだが、審査員もそれぞれアクのあるキャラクター盛りだくさんだ。いくらうまくても審査員の心情一つで蹴落とされる。世界一のピアノコンクールなのに、中身はドロドロ、陰謀が渦巻く内容だ。勿論、作り話だが、まるっきり嘘ではないと思う。作者はきちんと下調べをして書いただろうから。私はピアノが大好きだ。正式に習ったのは子供の頃にバイエルをやっただけ。先生がいなくなったのでその後機会がなく続けなかったが、好きな曲を細々と独学で練習した。先生はレコードで、それをテープに入れなおして、車に乗ったときや家事の時間に聴きまくる。テープが伸びてしまったら、また吹き込んで曲を覚えるまで聴いた。それからピアノの練習を始める。耳にタコができるほど聴いているから、練習はただ辛抱して上達するまで何年かかってもその曲をやった。だから、アニメでピアノが主体になっている話なんて、とても魅力である。少々の動きが悪いのは多めにみよう。コンクールは1次2次本選とあり、80人の挑戦者が次々にふるい落とされていく。最後の本選はショパンのピアノ協奏曲1番か2番なのだが、これがまた、長い曲で、あまり好きではなかったものだが、アニメは20分間だ。主人公も脇役も次々と6人の本選に残った連中がステージで演奏する。全曲は入らない。感心したのは、うまいこと綺麗なメロディの部分を抜粋して、話の中に組み込んである。録画して毎日何度も見たが、全曲を聴きたくなった。とりあえずネットで動画を捜しだして45分近い曲をテープレコーダーで録音した。非常にまずかったのは飼っているオカメインコが時おり、ぴーぴーと雑音を入れてくれたことだが、とにかく全曲をテープに取った。横文字で書いてあり、どこかの会場からのコンサートだったらしい。終わった後、拍手がすごかったから。これを、例のごとく炊事をしている時に、聴いて聴いて聴きまくって、一日5時間は聴いていたと思う。とうとうテープが逝かれてしまった。45分のテープなので薄いらしく耐久力がない。しかし、好きではなかったショパンのピアノ協奏曲1番が、とても素晴らしい曲だとわかり、好きになったのは確かである。クラシックの名曲は長いものが多く、じっと聴いているのが苦痛になったりする。何かやりながら何度も聴くのがベスト!知らない間に覚えられる!