鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

「ピアノの森」の原作マンガ

ピアノの森」の原作マンガにハマっている。何度も読み返すし、テープに吹き込んだショパンのピアノ協奏曲1番を聴いて聴いて、しまいに肩は凝って目が痛くなるし、テープは再度吹き込んだN響中村紘子共演もガタがきた。若いころの中村ではなくそろそろ高齢と言っても良い時期の演奏だったから、三楽章の後半はミスタッチがちょこちょこあったけど、でも、さすが中村、と思った。テープがイカレるほど聴かなくてもよさそうなのに、ついつい、聴いてはアニメやマンガのシーンを思い出す。マンガには多くの登場人物があり、そのなかの大半が重要な役柄だった。だから、読んでいて次々に気になる所が出てきた。まず、主人公のカイだが、小学校4年生から17歳でショパンコンクールに出場するまで、ずっと髪の色が茶色というかベージュというか、脇役の同じ年齢の子たちは黒髪なのに、カイだけはなぜ髪がこんな色なのか?母親が水商売の女性なので息子も染めさせたのか、それとも父親が白人なのか?最近では染めている子が多いけれど、それでも小学校から我が子の髪を染める親はいないだろう。説明が欲しかった。次に、登場人物の年齢。年齢は大切だ。それにより、ある程度のイメージが湧かせられる。なのに、この作者は読者が勝手に決めろ、と言う感じで教えてくれない人物が出てきてウンザリだ。まず、准主役と言っても良いカイのピアノ指導者である阿字野先生。大方49歳か50歳くらいと想像するが、はっきりしない。それから、脇役だが重要人物のレフ・シマノフスキーくん。身長や幼そうな顔つきから十代か?と想像するが、カイの年齢が低すぎるので優勝という文字からは程遠い、と取り巻きのピアニストや音楽評論家から口々に言われるのに、シマノフスキーのことは問題としない。ひょっとしたら彼は二十歳くらいになっているのだろうか?重要な脇役でライバルたちの年齢は書いてある者もいる。面倒がらず、歳がわかるように提示すべきである。ズラリと出てくる審査員たちの説明も、できれば欲しい所だ。カイを好意的に見る者、重箱の隅をつつくようにミスを捜しだして辛い点を付けようとする者、自国の出場者であるシマノフスキーを優勝に導こうと、あれこれ画策する者、えげつない審査員のオンパレードなのだから、彼らを説明しないというほうはなかろう。カイの友人でピアニストの息子である雨宮修平(あまみやしゅうへい)というライバルの父、雨宮洋一郎の年齢も省いてある。彼は日本でも有数のピアニストで若いころの阿字野にあこがれていたという設定だが、「阿字野くん」と言っている。このおっさん、阿字野先生より年上だったのか?と読んでいて疑問が増えた。長い話である。作者は16年もかかって完了させたマンガだから、突っ込みどころも多くなるが、読者をモヤモヤさせるのはいかがなものか!2014年に完結し、作者は健在のようだから、出版社にハガキでも出して見ようか、などと思ってしまう!