鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

セントポーリアのミニ種を育てる

セントポーリアのミニ種アイリッシュ・エンゼルを育てて15年になる。このブログのIDの上に載せている紫の花の写真がそれで、この株を園芸店から350円で買ってきて育て、毎年植え替えをした物だ。かなりの大株になっており6月から2か月ほど咲き続け、次に少し休んで10月の終り頃から翌年の1月下旬まで次々に花芽を出して咲いてくれる。とてもサービス精神旺盛な花である。セントポーリアは山野草ではなくアフリカのタンザニア出身の園芸種だが、アフリカ出のくせに暑いのが嫌いで寒いのも苦手という気難しいお方だ。なんでも原産地は冷涼な気候の高原だとか。湖のほとりの岸壁にくっついていると聞いたこともある。日本のイワギリソウという山野草の仲間だが、イワギリソウも栽培が難しい。やはり親戚同士、似た所がある。置き場所は台所の西日が当たるペアガラスの窓辺で、夏はエアコンの恩恵に預かれる所だ。西日は短い時間しか当たらず、冬は少しだけ当たってくれるが、夜間は大変に寒い。5度以下になり越冬できないので、寒になったら居間のテーブルに移動させる。小さな深さ10センチほどの段ボール箱にいれ四隅に紙を巻いて作った柱を立てて、ガムテープでくっつけておく。そこに入れて透明なビニール袋をすっぽり被せる。これは部屋をガスファンヒーターで暖房しているので、乾燥を防ぐためだ。水は冬はひと月に一回くらいで良い。テーブルの上に明るい照明があるので運が良ければ、真冬でもどんどん花芽を出し咲いてくれる。実に健気な子だ。植え替えは6月の花が終わってからやるが、大抵株が大きくなっているので一回りも二回りも大きくした鉢に変える。植え込み材料はセントポーリアの土か硬質鹿沼土小粒にピートモスを三割混ぜて、深鉢なら鉢底に軽石の大粒を2センチほどの高さに入れる。駄温鉢の浅い鉢なら底穴の上だけ軽石を置く。さて、いよいよ株を引っこ抜いて新しい鉢に移動だが、これが一番難儀な作業になる。株は枝が四方から出て大きくなっているが、ちょっと力を入れて触っただけでポロっと取れてしまう。もったいない!とそれを別の鉢にぐしゃっと挿してしまうので、すぐに根を下ろし新しい株が出来て殖えるので困る!なんとか新居に引っ越しさせて土を入れたら、次にマグアンプKの大粒を4号鉢で4個くらい上に乗せておく。水はこの時株の根元にかからないように気を付けてたっぷりかける。普段の水やりも暖かい時は株に水がかからないように要注意だ。水がかかると根元から腐って来る。水やりは鉢皿に入れて与える底面冠水が基本である。これをしないで頭からジャブジャブと与えたら、大概ベト病を発生させてダメになる。6月に立派な葉を茎ごと千切ってミズゴケに挿しておくとひと月で新芽が出て三か月もすれば小さな株になる。照明の下で冬越しさせるとこの葉挿し苗が半年で花を付けてくれるので、喜びもひとしおである。難点は殖えすぎることか?