鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

側溝のアナグマ

隣家の玄関前の側溝にアナグマが出入りしていた。側溝といっても50センチほどの深さの溝に土管を通し、埋めてしまってあるのだが、敷地の中だけの土管で我が家の領域からは土管無しの溝である。友人が来たときその土管の入り口で立ち話をしていた。「昨日の夕方、ここにアオダイショウが涼んでいたね」などとしゃべりかけた時、溝の中を茶色の物体が脱兎のごとく走り抜け、続きの土管に走り込んだ!「今の、何?」思わず顔を見合わせる!「ネコじゃないよね、たぬき?」「こんな昼間に?」タヌキは夜行性である。ネコにしては大きかったが、タヌキの色じゃない!その時はアナグマだとは夢にも思っていなかったのだが、土管のお隣さんが玄関側から北、我が家との境にある小さな溝にタコ糸を張り巡らせた。土管から出てはアナグマが続きの溝に入ってきて犬走りに毎日フンを山盛りにコイて行くらしい。その都度掃除をしていたが、腹が立ったので嫌がらせにタコ糸を張ったと言う。5メートルほどの距離に、緩めずピンと張ってあった。野生の動物はいつもうろつく所に、見慣れない物があると警戒するらしい。なんと、フンこきがピタリと止んだ。向かいの豪邸に住んでいるTさんは、アナグマに庭を掘り返された、と怒っていたし、上らのHさん宅は、裏の生ごみが入れてあるコンポストをひっくり返されて、ゴミだらけにされた、という!けっこう被害があるな、と思ったが、本当にアナグマなのだろうか?姿は見たが、顔は見ていない。顔を見ればわかる。以前、隣町の警察署に夜な夜な入り込み、宿直の署員のオヤツや食事を盗んでいたヤツがご用になったことがあった。自動ドアを開けて正面から入って来ていたのが、とうとう捕まって、NHKのニュースで「タヌキが犯人でした」と言って顔を写したのを見て笑えた。アナグマだったからだ。夜7時のニュースだったが9時のニュースで、タヌキではなくアナグマでした、と謝罪したことがある。知らない人はタヌキと間違えるが、アナグマは平たい感じの動物で、イタチ科だ。タヌキはイヌ科である。側溝を走り抜けたのを見たのは、真上からだったから、ぜひ、正面からご尊顔を拝見したいものだと思ったが、実際に出会ったのは数か月後!

郵便局に行き戻って来た時、横の広い空き地からお出ましになったお方とばったり出会った。どちらもにらみ合って、数十秒!やはりアナグマで、可愛い顔をしていた。とんでもない物に住み着かれたが、エサはやっぱりゴミか?アナグマは分が悪いと思ったか、いつもの側溝に入らずHさんの家の方に速攻で駆けて行った。この空き地にはチョウセンイタチやニホンイタチ、トガリネズミなどもいる。街の中なのに恐れ入る空き地なのだ。アナグマ追加となると、さらに凄い。そのうちクマでも出てきそうで危ない!