鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

ナンキンハゼの生命力

ナンキンハゼが玄関前の側溝に生えて10年は経った。アナグマが走り回る西側の側溝には鉄板とコンクリートの板が乗せてあるのだが、コンクリートは丈夫なので鉢植えやプランターを置いたりする。すると落ち葉だの枝だのが隙間に溜まり、その上にコケが生える。掃除をすれば良いのだが、鉢が1000近くあり目が行き届かない。いつのまにかこんもりした苔がキレイに当たり前になっていた。そこへこっそりと小さな木が生えて、少しづつ成長し気が付いたころには30センチを越していた。ハート型の可愛らしい葉が付いて、秋には紅葉する。冬には枝だけになってしまうが、春には芽吹いてさらに大きくなった。その時に引っこ抜いておけばよいのに、ハートのみずみずしい葉と秋の紅葉にほだされて、つい、そのままにしておいたのが間違いの元である。いったいどういう風に根を張っているのか、側溝の中を覗いて見たことがないのでわからなかったが、すごい生命力だ。土に根を下ろしているとは思えないのだけれども、辺りの鉢に置いた山野草の肥料のおこぼれを貰っているのだろう。どんどん成長して枝を張り天辺の成長点を止めても、別の枝を代用して茂りまくる。路地を通るヒトの迷惑になるので枝を切るが、切った所から3倍くらいの芽を出す。秋には落ち葉の掃除を毎日させられる。何週間もかかって葉を落とすのが憎たらしい。木はヒトの腕くらいに太くなり、高さは2mほどある。その頂点から扇のように枝をのばし、夏には木陰ができるのだ。台風が来て大風が吹いてもびくともしないし、冬は気温がマイナスになることも多いのに平然としていた。これが広い敷地の中なら、好きなように茂らせて木陰で昼寝でもできそうだが、なにしろ生えている場所が悪い。枝を払わないと、西隣りの豪邸から苦情がくる。落ち葉の始末も負担を感じ出した。水を貰えないと枯れるだろうが、後の始末が大変だ。これは何とかしないと!

同級生の友人が庭のヒムロスギを伐採してもらったら6000円も取られた、と愚痴っていたのを思い出し、どこの造園業者に頼んだのかメールをして訊いたら、シルバー人材センターに頼んだ、と言う。数年前の呟きだから値上がりしているかも、と思いながらセンターに電話した。木を見てから見積もりします、と言うことだ。担当の職員が夕方やってきて、作業代と製材所への処理費用で6000円当てておいてくれ、とのこと。伐採と処理を依頼したのだが、妙な仏心を出さず、小苗の時に引っこ抜いておけば良かった、と少々後悔する。北側にやはりゴミの中から生えてきた木がある。何という木かわからないが、サクラの仲間らしい。今のところ60㎝で止めているが、太さは指三本合わせたほどで、枝先を毎年払ってしまうので、花が咲かない。こちらも自力で始末できるうちに切ってしまった方が良さそうな気がする!