鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

呼び捨てするインコ

前に飼っていたコザクラインコはサラといった女の子で、頭が良かった。コザクラインコボタンインコの仲間でラブバードともいう。つがいで飼うと仲が良くて、いつもキスをしたり羽繕いをしたり、イチャイチャ、ベタベタして離れないからそう言ったあだ名がついたらしい。だからヒトに慣れて欲しければつがいでは飼わず、一羽飼いが良いそうだ。コザクラインコのオスを注文したのだが、ペットショップの店員いわく、運が良ければオスになるでしょう!などという言いぐさだった。つまりヒナの間は性別がわからないとのこと。大人になって鳴き声とかしぐさで判断するようだ。サラも成長するまでわからなかったが、呼びやすい名をつけて餌を与えた。彼女は売れ残りだったらしく相当に育っていて、ふやかしたエサでなくヒナ用のムキエサを手の上に乗せてやれば自分で食べてくれたので、とても楽な子育てだった。一年ほどして紙をちぎって腰に挟むことをやり始めたので、どうやら運が悪かったらしい、と思った。これはメスが巣作りをするため巣材を腰に挟んで運ぶ行為なのだ。まあ、おもしろい習性なので見ていて楽しいが、その辺にちぎった細長い紙を撒き散らすので少々困ったけど。ずんぐりむっくりのコザクラインコはモノマネをしないと聞いていたから、言葉を教えるつもりがなかったのに、それがあるときから「ルリコ!ルリコ!」とことあるごとに私の名前を連呼し始め、驚いたのだが、せめて「ルリコさんと言え」とクレームをつける。母がサラの前で「ルリ子、ルリ子」と呼ぶから覚えてしまったのだ。「おかあちゃん、サラの前で呼ぶの、止めて欲しいわ」「そんなことを言ったって、もう覚えてしまっとる。いまさら遅いわ」などとケンカになった。ラブバードはモノマネをしない、なんて嘘っぱちだ!サラはそのほか、サラちゃんカワイイ、とかサラちゃんカシコイなど短い言葉をいくつか覚えてくれた。これはカゴの中を覗いたとき、つい飼い主が口走った言葉だ。歴代のラブバードは皆、同じことを覚えてしゃべったので、可愛がって話しかければ覚えてくれる。彼らは大きな頭でインコの中でも知能指数が高い部類に入り、カラスと同じくらいに賢い、とテレビ番組で言っていた。ヒトの言葉をまねるのくらい容易いはずだと思う!