鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

エネルギー節約、木炭バス!

ロシアとウクライナとの争いで、実のところ世界中が大迷惑をしている。原油天然ガス、食料の問題もあって、関係のない国々までとばっちりを食っており、死活問題の貧しい国も多いのである。ロシアへの経済制裁が本当にブーメランのように、行った国々へ戻ってきているのだが、この話は70年前、我が国が米国にケンカを吹っかけて、資源の輸入を止められたことに似ていた。石油や鉱物資源などをほぼ他国に頼っていた我が国が、よりによって超大国に宣戦を布告するなど、無謀も良いところだ!誰も止める者がいなかったのか、と思ってしまう。当時の日本は、明治維新以降、他国と戦争ばかりしていたのだが、負け戦が一度もなかった。ウンが良かったのだと思う。そこで調子に乗った軍部が、米国を相手にケンカを吹っかけた。おかげで散々な目にあったが、庶民は、負けてよかった。財閥を解体し貧富の差がなくなった。勝っていたら軍人が威張っていてどんなことになったやら、考えただけで恐ろしい、と両親がしょっちゅう言っていたから!

そのころ私の家族は今の街よりずーっと山奥に住んでいた。標高50センチの街から標高300mの地まで20キロ、自転車で行くと坂が多いのがよくわかる。大川に沿って県道が走っていたが、舗装などはされていない。砂利道で真ん中が高いかまぼこのような道である。砂利が道路の端に寄ってしまっていて、そんなところを自転車で乗り上げたらひどい目にあう。交通は少なく、たまに材木を積んだトラックやバタコと呼ばれるオート三輪車やボンネットバスが奥の村に走っていく。当時の車は木炭でエンジンを動かしていたそうだ。とぼしい石油は戦争関連に使うため一般には回せない。私は幼かったので覚えていないが、車の好きな4歳年上の兄が、いつも夕食の時、木炭バスに出会った話をする。「しもの坂でエンジンを全開して来るんだ!ウンガ、ウンガ、ウンガとうなりながら坂を上がってくる!けど、お客が乗っているから上がりきれない。結局全員下りて後ろから押す。初めからおりときゃ良いのにさ」とうれしそうに話していた。ドイツ、イタリアと三国同盟を組んで連合国相手に戦争したから経済制裁を食らって、エネルギー資源が入って来なくなったのだ。今のロシアみたいだが、ロシアはすべての資源が揃っている。当時の貧国ニッポンとは違うのだ。それでも世界を相手の経済制裁は痛いようである。70年前の我が国とはまた別の次元で痛いらしい。早くやめれば良いのに、プライドが邪魔をするのか?いつの時代でもモメごとのとばっちりは庶民にかかってくる。つまらないプライドはゴミ箱にでも捨てて欲しいものだ!