鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

コワーイ山野草

何十年か前、山野草を求めて山によく行った。山に囲まれた街に住んでいるが、欲しい物は山まで行く必要がある。車で登れる所までしか行かないが、林道を登って行き広い所で停めて、林の中に入り込み物色した。里山だが800mほど登って探すと、色々な植物が手に入る。オオイワカガミとかノジギクなんかが群生していて、花の時期は壮観だ。それを端の方だけちょこっと抜いて帰る。もっと高い山に登ればマイヅルソウやアカモノなどが登山道に這っていて、踏まないと通れないほどだが、持って帰っても枯らす確率が高いので要注意。オオイワカガミなんか慣れないと100パーセント枯らしてしまう。高山植物のイワカガミの一種になるのだが、場所によっては300mくらいの所にも群生していた。夜間に霧がかかるような場所に多く、湿度が重要な植物のようだ。花はイワカガミと同じだが葉が大きく、秋には美しく紅葉する。楓に負けない美しさなので余計に手を出しては枯らす。紅葉の美しい山野草にツタウルシがある。葉の形もモミジを大きくしたような形で、それは魅力的な草姿だ。知らないと手を出してしまい、後で後悔する羽目になった。知っている草友が注意喚起をしてくれて、気を付けてはいたが、知らずに触ったらしく、家に帰ってから二日ほどして左手にブツブツが出てきた。これは草かぶれを起こしたか、とあわてて湿疹、かゆみ止めを塗ったが、治らない。ほんの三センチ四方くらいっだったし、そのうち治るだろう、と思っていたのだが、治らない。それに痒さが半端でなかった。定期的にひどく痒みが増して眠れないほど痒かった。一週間ほどしてブツブツは引っ込んだけど、痒いところが少しずつ移動して完治しないので悩まされた。教えてくれた山野草会の長老に話すと、ウルシと言うくらいで、とてもしつこいから、医者に行け、と言われた。しかし面積が狭いので二の足を踏む。他の草友や母親も皮膚科に行くように勧める。それを聞き流して売薬の軟膏でごまかしたが、本当に効かないし治らない。大いに困った。普通のウルシかぶれならとっくに治っているのだが、アレルギー体質だからか?ひと月以上たって、やっぱり皮膚科に行こうか、と思い始めたころ、姪が果物のジュースをくれた。リンゴジュースの200㏄入り詰め合わせだ。あまり好きではなかったけど、せっかくなので一つ飲んでみて驚いた。その日は夜まで痒くなくて、なぜ?と考えた。ジュースのせいかな、と思ったが翌日は飲まずにいると、また痒くなる。もう一つ飲んでみた。痒みが止った!これは間違いない、リンゴジュースが効いているのだ。そこで毎日一本ずつ飲んで、なくなったので買ってきて飲んだ。1リットル入りを全部飲むまでに、もう痒みも出なくなって完治した。リンゴジュースの効き目は凄い!それからは皮膚炎を起こしたらリンゴジュースを飲むことにしているが、ツタウルシのコワサを骨身に染みた。いつも行く里山には茂みに入るとワンサカ生えている。一応肌を出さないようにして行くのだが、手首の肌が出ていたらしい。秋の紅葉に引かれて手をださないようにしないと、それはコワイことになる!