鳥と山野草の話

鳥類と山野草、主にシダ植物を書いたりします。

ラン科植物 ネジバナ

ネジバナは空き地や芝地、また山地の道端などに多い雑草扱いの山野草だが、れっきとしたランの仲間である。ランには興味を示す、しかし植物にはあまり詳しくない方々に、これもランですよ、と言うと、「ええっ!これがラン?」と驚くヒトのなんと多い事か!まあ、可愛い花ではあるけど、ランと言えば、カトレアとかシンビジュウム、コチョウランなどを頭に浮かべる園芸の好きな奥さまがたは、空き地や畑の隅に生えている雑草のような花がランだなんて思えないようだ。ランの花は花屋で買うと概ね三桁の金額では手に入らない。最近はタイあたりから安い切り花のデンファレなどが1本100円くらいで買えないこともないが、切り花でもカトレアやバンダなどは結婚式用として出回っているものなど、たぶん1本数千円はするだろう。根がついた鉢植えのカトレアの方が安価な場合が多い。バンダなどは東南アジアから直輸入で、たとえ円安でも結婚式とかイベント、金持ちが注文する花束などには使われる。タイでは畑に棒を立ててバンダをキュウリでも作るかのごとく、押し合いへし合いで栽培し、花を輸出している。日本でそんなマネをすれば、おびただしい温度管理代がかかるか枯らすか、どちらかである。バンダは着生ランだから木枠などに入れて温室で吊り下げて栽培する。30年前に一株3000円で売ってあったが、カトレアくらいの価格だと思った。では、ネジバナはどうか。となりの大きな空き地からネジバナが飛んできて、勝手に鉢やプランターに入り込み、断りもなしに増えるので閉口するのだが、この小さなラン、鉢に入れて栽培するとなると、とても難しい!山野草店では一株500円ほどだが、八重花とか葉に模様が入ったりしたものは小町ランと呼ばれて、とんでもない値段がする。安い物でも千円以上で、ちょっと変わったモノはン万円もする。バンダやカトレアもびっくりの高価なランなのだ。それが、栽培は難易度が非常に高く、大枚はたいて購入してもひどい時はひと月持たない。買ったことがあるのかって?失敗談をあちこちから聞くので買うつもりなどなかったが、同好の士からもらって見事に失敗をしたし、隣の空き地から入り込んだ株に、きれいな覆輪葉の物があって、喜び勇んで山野草用の信楽焼鉢にそっと移して奉った。神の恵みだと思ったが、神さまは鉢に移し替えたりしてバカタレと思われたに違いない!覆輪株はやっぱり三か月持たなかった。何が気に入らないのかよくわからない。よそから採ってきたネジバナも大体に持ちが悪い。勝手に飛び込んで大きくなった株は水やりや置き場所がどうでも良いらしい。「オイラが好きで入ったんだからさあ」と言っているみたいだ。好きで入ってくれたんだから、と、鉢の雑草を抜く時もネジバナだけは残しておくようにしている。また、覆輪葉がでないだろうか?ちなみに、それを業者から購入すると3000円以上はすると思う!